ヘッジ取引顛末

2025年10月11日

先日の記事「ヘッジ取引」に記載した通り、9月22日に日経平均ETFによるヘッジ取引を実行しました。
半年間株価が大きく上昇し過熱気味と考えられるため、そろそろ調整が入るのではないかという思惑からです。
ところが思うとおりに行かないのが相場です。
今回はその顛末を記します。

経緯

9月22日ヘッジ取引を開始した時の日経平均は 45,600円でした。
ヘッジ手段としては「レバレッジ・インデックス型の信用売り」と「レバレッジ・インバース型の信用買い」の2種類です。

10月1日:配当落ちの影響もあり日経平均は 44,500円まで下落しました。
私の持ち株全体では評価額を下げましたが、ヘッジ取引では多少の評価益が出ており、ここまでは想定通りです。

ところが・・・
10月4日:自民党総裁選で高市早苗さんが新総裁に選ばれると、積極財政への期待感から、週明けの10月6日には日経平均は 48,000円まで急騰
ヘッジ取引は一気に大損です。一方で持ち株の評価額が上昇したかというと、ほとんど値動きしていません。これではヘッジがまったくヘッジになっていません。48,000円を損切りラインと設定していたのですが、急上昇に対しては反落があるだろうと少し様子を見ることにしました。

10月9日:しかし相場の勢いは引き続き強く 48,500円まで上昇しました。
このままでは損失が広がるばかりと、もう一日だけまって清算することを決意しました。

翌10月10日:朝から公明党が連立与党離脱の見通しとのニュースが流れ、これは大きく下げるのではないかと大引け間近まで様子見です。
そして15時過ぎ、48,200円を割り込む水準になったので、ここらが引き時といったん全ヘッジ取引を清算しました。
しかし公明党離脱で政局不透明な割には下げ幅が小さいと、自分でもどうにも未練がましいのですが、半分だけヘッジし直しました。これがさらに傷口を広げることになるかもしれませんが・・

結果

以下が、今回いったん清算したヘッジ取引の結果です。

ヘッジ取引を開始した9月22日から清算した10月10日までに、日経平均は 5.5%強上昇しています。一方でヘッジ取引では2倍レバレッジをかけているので、n列に記載の通り2倍の11%強の値動きが期待されます。ところが、実際にはk列の通り12%台後半の値動きです。すなわち、参照インデックス変化率と実際の損益率の間には1.5%以上の乖離があります。乖離の要因には諸経費も含まれるのですが、今回の諸経費の寄与度は 0.2~0.3%と比較的軽微でした。
また今回ヘッジ手段として、「レバレッジ・インデックス型の信用売り」と「レバレッジ・インバース型の信用買い」の2種類を用いたところ、両者はほぼ同等なパフォーマンスでした。

それにしても、計130万円の損失はかなりの痛手です。

反省

今回の損失を自分なりに深く反省をした結果、以下を反省点として挙げます。

① 重大イベントの軽視

もちろん、自民党総裁選が控えていることは知っていたものの、高市さんは有力候補であり、その当選はマーケットも織り込み済みだろうと高をくくっていました。政策金利の突然の引き上げやトランプ関税政策の発動といったネガティブサプライズは当然にリスクイベントなのですが、今回のようなポジティブサプライズもリスクイベントとして考慮すべきであったと反省です。

② ヘッジ対象とヘッジ手段の値動きのズレ

ヘッジ取引開始にあたり株価値上がりはリスクシナリオとして考慮していたものの、その際には保有する現物株式の評価益が増加するため、ヘッジ取引で発生する損失を補って余りあると考えていました。ところが今回、上記の通りヘッジ取引で大きな損失が発生したにもかかわらず、保有株式の評価益はさほど増加していませんでした。
実は今回の日経平均の急上昇は、日本株が全般的に買われたからではなく、ソフトバンクやアドバンテストといった日経平均への寄与度の高いごく一部の銘柄が買われたことによります。このことは日経平均とTOPIXの値動きをみれば一目瞭然です。

私の保有するポートフォリオは断然TOPIXに近いため、今回ほとんど値上がりしていません。よって今回ヘッジするにあたっては、日経平均ではなくTOPIXに連動するETF(例えば 1356 TOPIXベア2倍上場投信)を利用すべきでした。

③ ヘッジタイミングの集中

今回のように持続的な上昇局面においてヘッジ取引を行う場合には上昇がどこまで続くか分からないので、一時点に取引を集中させるのではなく、数回に分けて取引を実施すべきでした。

最後に

今回、高い授業料を払ったので、以上の反省点をふまえて次回はもう少し賢くヘッジ取引を行いたいと思います。

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