株主総会など

2025年9月

9月は、6月末決算企業が株主総会を開催する時期です。
このたび2社の株主総会等に出席しました。

● デュアルタップ(3469)

都内で投資用マンションの開発を行う企業です。マレーシアでも建物管理を展開しています。

これで株主総会に出席するのは3回目。これまでの2回がKDDI、小松製作所と日本を代表する大企業であったのと比較すれば、同社はだいぶ小規模です。それはそれで株主総会がどのような様子であるか興味津々です。

総会会場は、人形町です。

出席者は約20名。同社は株主優待の導入によって個人株主数を大幅に増やしていることからすれば、意外に少ない気がします。

議長たる社長が議案説明を行ったのちに質疑応答。
株主優待の持続を求める意見などが出されます。
そして一人のベテラン投資家が社長に対し、上場企業として業績を拡大し株主に還元することが本筋であり、株主優待で株価を維持するのでは駄目だ、と質問というより説教めいた語りかけを始めました(同社の直近業績はあまり芳しくありません)。言うてることは間違っていないのですが、この場で堂々と述べている様子に驚きです(後で調べたところかなりの資産家のようです)。社長もこれには苦笑いで、貴重なご意見をまた来年も(投資を続けてもらい)よろしくお願いします、との回答でした。

議案自体は、特段の反対もなくすべて可決。
巨大企業とは一味違う総会の運営ぶりを興味深く体験できました。

● いちごグリーンインフラ投資法人(9282)

その2日後、いちごグリーンインフラ投資法人の投資主総会に出席しました。場所は新橋です。

同社は、太陽光発電所を投資対象とする投資法人です。
投資法人とは、特定財産に投資し所有する機能のみを有する法人を指します。投資家の財産を別枠管理するための金庫の役割のみを担う存在で、売買する資産を決定したり投資財産の保全管理したりするといったビジネス機能は一切持っていません。資産の運用方法については外部の資産運用会社に委ねられ、その指図にしたがって資産の売買を行います。

投資法人は株式会社でないので株券は発行せず、代わりに投資証券を発行します。投資証券を購入した投資家は「投資主」となり、投資法人の投資主総会における議決権を得ます。投資主総会では、執行役員や監査役員の選任、規約の改廃といったことを決議します。投資法人における執行役員はいわば金庫番の役割のみを担うのみという点が、ビジネス経営の役割を担う株式会社の取締役とは異なるところです。したがって、太陽光発電所の売電実績、銅線盗難対策、今後の投資方針といったビジネスに係る事項は、投資法人の執行役員の担当外であり、資産運用会社の担当です。よってビジネスに係る質疑応答のため、投資主総会とあわせて資産運用会社による説明会が開催されました。

もちろんこんな複雑な構造は一般投資家からすれば知ったことではなく、投資主総会においてもビジネスに係る質問が数多く出されます。これに対し投資法人の執行役員は回答できないため、同席していた資産運用会社から回答が行われます。
関心が高かったのが、沖縄の発電所におけるパネルの不具合です。パネルメーカーに対する補償請求の状況や不具合の原因といった質問が出されました。ほかにも、人里離れた発電所の防犯対策や太陽光パネルの清掃頻度といったリアルな発電所ビジネスに係る質問も出てきました。

続く資産運用会社からの説明会では、これまでの資産運用実績、今後の方針と投資リスクといった説明が行われました。実は、太陽光発電の買取に係る国の制度は固まっておらず、その不透明さをきらって昨年夏にインフラ投資法人の価格は軒並み暴落しました(私自身も大損害を被っています)。説明会では、その要因につき他法人の分配方針の変更や金利上昇を挙げていましたが、やはり買取制度の不安定さが一番の要因だろうと私は思っています。一方で資産運用会社の担当者は、この太陽光発電ビジネスの将来に悲観的な見方はしていない様子がうかがえ、その点は安心しました。今後の継続投資にあたっては制度の不安定さを払しょくするだけのプラス材料があるか、例えばFIT(固定買取制度)終了後の収益構造やペロブスカイト太陽電池や蓄電池といった新技術・新投資先の可能性といったところがポイントとなる、と説明をきいていて感じました。

なお私事ながら総会での初質問をしてみました。折角このような場に出席しているので、ぜひ参加してみたいとの思いからです。緊張はしましたが、回答をもらえると嬉しいものです。

投資主総会での配布品です。木製の小物は、靴の臭いを消すためのヒノキ材です。

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