健康保険切替手続き

2023年3月10日

退職後に速やかにやるべき手続きの一つが「健康保険の切り替え」です。
会社員は、会社を通じて「健康保険組合」もしくは「全国健康保険協会」に加入していますが、退職すると加入資格を失います。

退職後の選択肢は2つ

その後の選択肢は2つ、「国民健康保険への加入」もしくは「今までの健康保険の任意継続」です。

国民健康保険は、市町村国保と国民健康保険組合から構成されます。国民健康保険組合は業種ごとに集まって作る組合ですので、ほとんどの退職者は地方自治体によって運営される市町村国保に加入することになります。
もう一つの任意継続とは、これまで加入していた会社の健康保険組合に継続して加入するものです。なお加入期間は退職後2年までです。

両者を選択する際の最大の検討ポイントは保険料です。
まずおさえておくべきことは以下の2点です。
① 健康保険料は、前年の所得に応じて決まる
② 会社員の健康保険料は会社が半分負担しているが、退職後は全額自己負担となる

①の意味するところは、退職により収入が大きく減少しても保険料がすぐに下がるわけではないということ。収入の減少に伴い保険料が低くなるのは翌年以降です。
②については、会社負担がなくなる分、保険料の自己負担が2倍になる可能性があるということです。

選択肢の比較

この2点を頭に入れたうえで、2つの選択肢をそれぞれ検討してみました。

1.国民健康保険の場合
私の居住する自治体が提供する計算ツールにより試算したところ、保険料は今までの約2.12倍になりました。
https://www.city.koto.lg.jp/250102/fukushi/kokumin/hokenryo/20170201.html

2倍を超過した理由の一つは、一般に国民健康保険は財政難のため保険料率が高く設定されていることが挙げられます。また、保険料には均等割と呼ばれる加入者の人数に応じて決まる部分があり、私の場合には妻子の分が加算されたことが挙げられます。
なお、国民健康保険の保険料率は自治体により異なりますので、皆さんが計算される場合には居住地の役所にお問い合わせください。

2.任意継続の場合
会社負担のなくなる分だけ単純に2倍になるとおもいきや、私の属する組合においては、「保険料計算基礎となる標準報酬月額の上限を30万円とする」となっていました。
すなわち、これまで標準報酬月額が30万円を超えていた人はその分が軽減されます。私もこれまでよりは高くなりましたが、2倍よりは低く抑えられました。

私の場合、任意継続が有利でした

上記の理由により、任意継続が有利であるため選択しました。
任意継続の加入期間は2年間までで、その後は国民健康保険に移行することになりますが、2年後には計算基礎となる前年所得は大きく減少している見込みなので、それから移行しても保険料は低く抑えられる見通しです。激変緩和のため大変助かります。

なお、どちらが有利であるかは人により異なりますので、正確なところは専門家にご確認をお願いします。

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