マーケット動向(2025年8月)

2025年9月2日

年々残暑が厳しくなっているように感じます。このままでは9月は秋ではなく夏になってしまいそうです。
それはさておき昨月のマーケット動向はいかがだったでしょうか。

昨月は珍しく大きなイベントもなく、どの資産も全般的に好調でした。ただし、すこし円高に動いたため、外貨建て資産は若干の目減りです。
不動産(REIT)、ゴールドといった実物資産は、年初来からの好調を維持しています。

● 日本株

日経平均は現在上昇期にあり、8月も引き続き過去最高値を更新しています。(今回より色を反転し、上昇期を赤、停滞期を青で示すようにしています)

それでは上昇期はいつまで続き、どこまで株価は上昇するのか?
2013年以降のパターン(下表)では、上昇期は11~21か月(やや特殊な②期の4か月を除く)、その間の上昇率は約44~55%です。

これを単純に当てはまると、上昇期は2026年2月~12月まで続き、それまでに日経平均は 51,289~55,207円まで上昇する、ということになります。
しかし、上昇期の継続期間はともかく、来年中に日経平均が5万円を大幅に上回るというのは現在の企業業績や国際情勢を踏まえると難しく、せいぜい5万円までではないかと考えています。

株価を基礎から支える企業業績に関しては、東証プライム上場企業の2025年3月期の純利益は対前年比 9.4%増加したものの、2026年3月期純利益は 7%の減益見込み(日経新聞記事)と、株価の大幅上昇の材料となるには力不足です。ただし2026年3月期見込はトランプ関税の影響を保守的に反映していると思われ、これをどこまで上方修正できるのか、また2027年3月期の純利益見込みがどの程度になるかが今回の上昇期の天井を占ううえで重要となります。

なお、企業業績以外に株価を上昇させる財務的な方策としては、①増配など株主還元の充実、②自社株買いによる1株当り企業価値の向上、といったものがあります。もともとアメリカでは積極的に行われてきた株価対策で、最近では日本企業でも実施例が増えています。
これら株価対策の動向を「長期企業業績、配当性向および自社株買いの動向」という記事にまとめましたので、ご興味ありましたらご覧ください。

●REIT

東証リート指数は、8月も3.2%の上昇しました。
先月記した通り、3年半にわたる下落が昨年12月末で終わり上昇に転じた、と見て取れます。

REITの割安度を示す指数としては、(1) 分配金利回り、(2) NAV倍率等があります。
直近の数値は以下の通り、
 (1) 8月末現在のREITの平均分配金利回りは、約4.6%JAPAN-REIT.comで直近値を確認できます)
 (2) 7月末現在のNAV倍率は 0.89倍不動産証券化協会のサイトで直近値を確認できます)
と、すこし高くなりましたがまだまだ割安と考えます。

REIT指数が上昇トレンドに入ったとして、どこまで上昇するのか?
先月から見方を変えていませんので数値をアップデートの上で再掲します。

上限としては、2,200ポイントが一つの目安と考えています。
その根拠としては、以下の2点です。
 ① 2020年2月、2021年7月の2度のピークが約2,200ポイントであったこと
 ② NAV が 1.0倍となる水準が、2,155 ポイントであること

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