REIT指数の下落

2024年3月3日

日経平均株価が最高値を更新するなど、株式市場は活況を呈しています。
ただし、まだバブルといえるほど割高な水準でないことは前回示しましたが、もはや割安ともいえません。
さらにここ数ヶ月の急騰を考慮すると短期調整で下落する可能性もあり、新規投資するのはなかなか勇気がいります。

一方でここ最近価格が下落しているのがREIT(不動産投資信託)です。
REIT市場の代表的な指数である「東証REIT指数」は、2024年3月1日で 1689.18 となっています。

東証REIT指数の10年間の値動きをコチラ(日本証券取引所のサイト)でご覧ください。
指数はおおむね 1500~2200 のレンジ内で上下しています。
現在は、2021年7月の高値 2200 から2年越しで下落している状況です。
ここ最近の株高のため、REITを売って株へ資金を振り替えているのが、REIT安の原因の一つのようです。
この値下がりにより、個別銘柄でみると、分配金利回りが5%を超えるものが増えてきています。
(上場REIT銘柄に関する情報は、コチラ(Japan Reit)のサイトが充実しています)

もちろん、株高・REIT安の流れはまだまだ続く可能性もあり、今すぐに飛びついてよいのか判断に迷うところでありますが、かなり割安感はありますので、いつでも拾えるようにモニタリングは開始してもよいかと思います。ネット記事でもREITの値下がりが話題になっているようなので、徐々に買いは集まるものと予想されます。
(ちなみに、私はREITへの投資割合を増やし始めました)

また、長期投資を視野に入れるならば、新NISAの成長投資枠でREITを購入すれば、高利回りの分配金に対する節税効果が大きくなります。

● REIT投資の注意点

ただしREITは株式と大きく仕組みが異なるので、投資に当たってはその特徴を理解する必要があります。

注意点の一つとしては、意外に値動きが荒いことです。
下に東証REIT指数とTOPIXの月次収益率の、20年間における平均および標準偏差を示しました。

収益率のブレ幅を示す「標準偏差」は、東証REIT指数がTOPIXを上回っています。
しかも私の経験では、東証REIT指数は金融危機などが発生した時に、急な値下がりを起こすことがしばしばあります。
REITの性質上、価格はもっと安定的であってもよいと思うのですが、株式に比べ投資家層が薄いため急な売り注文が入ると、それを吸収できずに大きく値下がりすることがよくありそうです。
なお、「平均収益率」はTOPIXの方がよさそうですが、指数には配当金・分配金収入が反映されていないので、より高いREITの分配金まで考慮すれば、両者の平均リターンはそれほど変わりはありません。

これ以外のREITの注意点(特に銘柄選び)については、回を改めさせてください。

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