マーケット動向(2026年4月)
2026年5月

3月に相場が崩れた反動で4月はどの資産も好調でした。ただし中東情勢が不透明ななか、相場も方向性が見えにくい状態です。
為替レートは、4月末に日本政府・日銀が円買いドル売りの為替介入をしたため、円高にふれています。
かつては円高是正のために為替介入していたのが今では逆。低インフレ・低金利の日本経済では円高方向に進むことで、円の国際的な通貨価値を維持することができるのですが、ここ数年は真逆の円安トレンド。残念ながらその背景には日本の経済力の低下があるのでしょう。
●日本株(TOPIX)
先月「TOPIXの波動分析(2026年3月)」においてTOPIXは下落トレンドに転じた、と大胆にも予想してしまったのでそのフォローをします。

3月には 3938.68 → 3497.86 と 440.82ポイント下落したのに対し、4月には 3497.86 → 3727.21 と 229.35ポイント上昇。まさに半値戻しです。
「半値戻しは全値戻し」という相場格言がありますが、どうなることやら?
株価が持ち直したので自分の資産価値が多少戻してホッとする一方で、株価が下がってくれないと予想が外れてしまうという板挟みの心境です。
●おまけ:そろそろ日経平均をみるのをやめませんか
TOPIXが半値戻しにとどまる一方で、日経平均は全値戻しで6万円を突破しました。日経平均の動きをもって日本株はまだまだ勢いがあるというニュースが流れる一方で、日経平均を引っ張っているのは半導体関連の数銘柄にすぎないとする指摘も多くみられるようになっています。
以前、「日経平均は日本の株式市場全体の動向を示す指数ではない」で取り上げた通り、日経平均は一部の値がさ株(株価の高い銘柄)に偏りのある株価指標です。日経平均自体を投資対象としている投資家には有用でも、日本の株式市場全体の動向をみるうえでは全くもって不適切な指標です。このことはプロの金融関係者には常識であるはずなのですが、日経平均が日本を代表する株価指標として世間的には認識されているため、その動向をもって日本株式市場の動きとするニュースが絶えません。
例えば4月28日、この日は日経平均は下げる一方でTOPIXは上昇しました。これに対し、とある金融情報会社が「日銀の早期利上げ観測など受けて投資家心理がネガティブに働いた」とするニュースを配信しています。もしこのニュースの通りの要因であれば、日本の株式市場全体にネガティブなインパクトを与えるのでTOPIXも下落しなければなりません。どうも配信者はTOPIXのことなど眼中になかったようですが、それでは読者をミスリードさせてしまいます。
経済は複雑で多面的な活動であるため、絶対的に正しい見方というのはありません。それだけに報道関係者は、相対的に歪みが小さくかつ分かりやすいニュースの製作に努めなければなりません。TOPIXにも時価総額の小さな企業が軽視されるという欠点を持ちますが、それでも数銘柄の値動きに引っ張られる日経平均に比べ、日本株式市場全体の動きを示すという点で歪みがはるかに小さな指標です。報道関係者には、日経平均の動きをもって日本の株式市場を語るような報道をそろそろ修正いただくことを望みます。

