7483 ドウシシャ

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長期業績グラフ安定成長スコア

※長期業績グラフおよび安定成長スコアの詳しい説明はコチラ

主要指標

株価¥2,2292024/7/29
実績会社予想
配当利回り3.36%3.59%
PER13.16倍12.68倍
CN-PER(※)3.02倍2.91倍
自己資本比率80.1%
NC比率(※)77.0%
※CN-PER:キャッシュニュートラルPER
※NC比率:ネットキャッシュ比率

※PER、CN-PER、NC比率の解説はコチラ

企業概要

企業IRページ(https://www.doshisha.co.jp/ir/)より

同社の業態を一言で説明するのは難しいのですが、トップメッセージより言葉を借りれば「人々のさまざまな生活に関わるモノやサービスを自ら企画開発し販売しているメーカーであり、商社でもあります」。

2024年3月期売上高は 1058億円(前期比 +0.1%)。セグメント別売上高比率(セグメント間取引消去後)は、開発型ビジネスモデル:53.7%、卸売型ビジネスモデル:42.7%です。

同社では経営理念として、創業の精神、社訓、四方よしの精神をあげています。このうち創業の精神は次の通りです。
我々は同志的結合をもって「つぶれないロマンのある会社」をつくり、社会に貢献できる会社作りをしよう
‥当社の創業メンバーは、以前勤務していた会社が倒産し、それにより多くの従業員やその家族、債権者が路頭に迷うという不幸を経験いたしました。
この時、当社会長 野村正治が当時の部下(同志)を集め、『絶対につぶれない会社、働き甲斐やロマンのある会社を作ろう』と呼びかけ、同じ志のもとに集まったメンバーで、1974年に日用雑貨品の卸売業を行う『同志社』(後に今のドウシシャに名称変更を行いました)を創業いたしました。
この倒産の教訓から当社は創業以来、『つぶれないロマンのある会社づくり』の為に、“創業の精神”と“社訓”を不変の経営理念として掲げております。

また、四方よしの精神とは次の通りです。
1. 売り手よし(得意先、消費者)、2. 買い手よし(仕入先)、3. 世間よし(社会、株主)、4. 働き手よし(会社、社員、家族)

また同社では長期ビジョンとして「100億円 × 30事業部」 を構想しています。
100億円の根拠は、同社のターゲットとするニッチ市場においてNo.1シェアを獲得することにあげられる数値です。このようなニッチ市場シェアNo.1を集めていこうというのが同社の長期ビジョンになります。

世界に2つとない会社をつくりたい

ドウシシャは、人々のさまざまな生活に関わるモノやサービスを自ら企画開発し販売しているメーカーであり、商社でもあります。

たくさんのヒット商品を生み出す中で、必ず求めるポイントは「生活者目線」、「新しいのかどうか」、「面白いのかどうか」が軸となった企画の目の付け所、すなわち発想やアイデアです。

これから世の中がどのように変化し、人々が何を求めているか分からないからこそ、これらを大切にしています。

トップページにある『あっ、ここにもドウシシャ!』は、いつも生活の一部にある存在でありたいという想いを言葉にしました。

そして衣食住の隔たりなく、市場規模は小さくても構わないので、その分野については絶対にNo.1になる。

モノを売るのではなく、企画を売る集団であること。専門性を高め、No.1商品を数多く作り続けること。それが、当社が唯一無二の企業になる方法だと考えています。

トップメッセージより

分析

●長期業績推移
1994年3月期以来、売上高、利益水準ともに緩やかな増加傾向にあります(売上高成長率:1.4%、営業利益成長率:3.3%、当期利益成長率:4.7%)。ただし、1990年代後半および2010年代後半に業績がやや落ち込んだ時期があります。会社の自己分析によれば、1990年代後半は売上偏重により利益率の低下や在庫の増加を招いたため、2010年代後半は国内市場がデフレ下で競争激化する一方で原材料価格が高騰したため、とのことです。
長期的に見れば増収増益ではあるものの、その成長率が緩やかであることがややマイナス材料で、安定成長スコアは8点と高評価です。

●主要指標(会社予測)
配当利回り:3.59%、PER 12.68倍、CN-PER 2.91倍とやや高利回り、割安な水準にあります。自己資本比率:80.1%、ネットキャッシュ比率:77.0%と財務健全性は良好です

●その他の視点
一言でいって際立った個性を持つ会社です。

今までいろいろな会社のホームページをみて(といってもまだ30社程度ですが)、その会社の企業理念(=自らの存在価値)や経営計画(=これからやりたいこと)を調べてきました。企業理念に関してはやや抽象的な理想をあげている会社も少なくないところ、同社では創業時の精神をもとに自らの存在価値を具体的にうたいあげたものとなっています。経営方針も「ニッチ市場でNo.1シェアの獲得」と明快です。

経営計画は公表されていない代わりに、変革の軌跡を載せています。ここには、上場した1996年3月期以来の業績推移と、各年における業績のコメントが記されています。
私が長期安定成長企業を抽出するために、場合によっては40年にも及ぶ業績を追ってグラフにしているのは、長期にわたり成長を持続している会社にはそれを支える社風(最近の言葉ではコーポレートカルチャー)が形成されていると考えているからです。詳しくは以前の記事を参照いただくとして、長期安定成長をこれまでに成し遂げている企業には、チャレンジ精神とリスク管理のバランスが取れた社風が根付いていると推測しています。たいていの企業では経営者も従業員も目先の業務に追われて過去の成功体験や失敗経験を振り返る暇はないのですが、経験から得られた思考・行動パターンが社風という目に見えない形で先輩から後輩へと受け継がれていきます。ところが、同社においては過去の実績とそれに対する自己分析が明確に言語化・記録化されています。失敗体験も含めて過去をしっかりと、しかもここまで長期にわたり振り返ることができるのは、なかなかにできることではありません。実際に、1998年3月期に利益水準が大きく落ち込んで以降はリスク管理にも注力し、リーマンショック時や新型コロナ流行時も大きな打撃は受けていません。

というわけで私としては同社を応援したいと思い、いつもより熱の入った記事となりました。しかし、投資判断は冷静に行わなければいけないものなので、読者におかれては私の思い入れは差し引いて判断いただけると幸いです。

※当記事は投資の推奨を目的としたものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
※データの一部は手作成・手入力のため、誤りがある可能性についてお含みおきください。

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