7483 ドウシシャ

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長期業績グラフ安定成長スコア

※長期業績グラフおよび安定成長スコアの詳しい説明はコチラ

主要指標

株価¥2,4682025/6/27
実績会社予想
配当利回り3.44%4.05%
PER13.32倍12.92倍
CN-PER(※)3.28倍3.18倍
自己資本比率85.8%
NC比率(※)75.4%
※CN-PER:キャッシュニュートラルPER
※NC比率:ネットキャッシュ比率

※PER、CN-PER、NC比率の解説はコチラ

企業概要

企業IRページ(https://www.doshisha.co.jp/ir/)より

同社の業態を一言で説明するのは難しいのですが、トップメッセージより言葉を借りれば「人々のさまざまな生活に関わるモノやサービスを自ら企画開発し販売しているメーカーであり、商社でもあります」。

①セグメント別・地域別業績

同社は以下の2つのセグメントで構成されます。

開発型ビジネスモデル自社で商品企画から開発、販売までを手掛ける「メーカー機能」のビジネス
家電・家庭用品、収納関連、衣料、食品・酒類等
卸売型ビジネスモデル国内外のメーカーから商品を仕入れて販売する「調達・加工機能」のビジネス
「有名ブランド品」と「NB加工品」に大別
売上高 (百万円)
2024.32025.32026.3
実績実績前期比構成比予想前期比
開発型56,87963,70112.0%55.9%67,5006.0%
卸売型45,20547,0344.0%41.3%49,5005.2%
合計105,824113,9397.7%100%120,0005.3%
営業利益 (百万円)
2024.32025.32026.3
実績実績前期比構成比予想前期比
開発型5,0855,49212.0%55.9%--
卸売型2,8993,6184.0%41.3%--
合計7,9268,9957.7%100%9,8008.9%

② 長期ビジョン

当社が目指すのは「100億円 × 30事業部」

100億円の根拠は、同社のターゲットとするニッチ市場においてNo.1シェアを獲得することにあげられる数値です。このようなニッチ市場シェアNo.1を集めていこうというのが同社の長期ビジョンになります。

③ 経営理念

● 創業の精神

我々は同志的結合をもって「つぶれないロマンのある会社」をつくり、社会に貢献できる会社作りをしよう

当社の創業メンバーは、以前勤務していた会社が倒産し、それにより多くの従業員やその家族、債権者が路頭に迷うという不幸を経験いたしました。
この時、当社会長 野村正治が当時の部下(同志)を集め、『絶対につぶれない会社、働き甲斐やロマンのある会社を作ろう』と呼びかけ、同じ志のもとに集まったメンバーで、1974年に日用雑貨品の卸売業を行う『同志社』(後に今のドウシシャに名称変更を行いました)を創業いたしました。
この倒産の教訓から当社は創業以来、『つぶれないロマンのある会社づくり』の為に、“創業の精神”と“社訓”を不変の経営理念として掲げております。

● 社訓

1. 我々は全員が家族である
  苦楽を共にする心をもって仕事にはげみ
  お互いの立場を理解し、力を合わせて会社と共に栄えよう。
1. 顧客に信頼されよう
  会社の信用は社員一人一人がつくるものである。
  顧客の身になって、仕事は早く正しく親切にやろう。
1. 仕事は自ら創り周囲を引きまわそう
  ドウシシャには傍観者は不要である。
  言動に責任をもち、常に勇気ある実行者となろう。
1. 資金の回転をよくして実益を収めよう
  虚飾を避け、身の分限を守り、
  浪費を省いて不時の用に備えよう。
1. 心は豊かにし、健康は自らが守ろう
  仕事と休息のけじめをつけ、
  明るく清潔な職場をみんなで創ろう。

● 四方よしの精神

1. 売り手よし(得意先、消費者)、2. 買い手よし(仕入先)、3. 世間よし(社会、株主)、4. 働き手よし(会社、社員、家族)

当社は近江商人の行動哲学である『三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)』に“働き手よし”を加えて、独自にアレンジした“四方よし”を掲げております。これは、売り手(得意先、消費者)、買い手(仕入先)、世間(社会、株主)、働き手(会社、社員、家族)の四方のことを常に考えて行動しようという意味です。この行動規範に基づいて、「つぶれないロマンのある会社づくり」に取り組んでまいります。

④トップメッセージ

世界に2つとない会社をつくりたい

ドウシシャは、人々のさまざまな生活に関わるモノやサービスを自ら企画開発し販売しているメーカーであり、商社でもあります。
たくさんのヒット商品を生み出す中で、必ず求めるポイントは「生活者目線」、「新しいのかどうか」、「面白いのかどうか」が軸となった企画の目の付け所、すなわち発想やアイデアです。
これから世の中がどのように変化し、人々が何を求めているか分からないからこそ、これらを大切にしています。
トップページにある『あっ、ここにもドウシシャ!』は、いつも生活の一部にある存在でありたいという想いを言葉にしました。
そして衣食住の隔たりなく、市場規模は小さくても構わないので、その分野については絶対にNo.1になる。
モノを売るのではなく、企画を売る集団であること。専門性を高め、No.1商品を数多く作り続けること。それが、当社が唯一無二の企業になる方法だと考えています。

分析

●長期業績推移
1994年3月期以来、売上高、利益水準ともに緩やかな増加傾向にあります(売上高成長率:1.5%、営業利益成長率:3.3%、当期利益成長率:4.6%)。ただし、1990年代後半および2010年代後半に業績がやや落ち込んだ時期があります。会社の自己分析によれば、1990年代後半は売上偏重により利益率の低下や在庫の増加を招いたため、2010年代後半は国内市場がデフレ下で競争激化する一方で原材料価格が高騰したため、とのことです。
長期的に見れば増収増益傾向ではあるものの、その成長率が緩やかであることがややマイナス材料で、安定成長スコアは8点と高評価です。

●主要指標(会社予測)
配当利回り:4.05%、PER 12.92倍、CN-PER 3.18倍と高利回り、やや割安な水準にあります。自己資本比率:85.8%、ネットキャッシュ比率:75.4%と財務健全性は良好です

●その他の視点
一言でいって際立った個性を持つ会社です。トップメッセージでも「世界に2つとなり会社をつくりたい」とうたっています。

今までいろいろな会社のホームページをみて、その会社の企業理念(=自らの存在価値)や経営計画(=これからやりたいこと)を調べてきました。企業理念に関してはやや抽象的な理想をあげている会社も少なくないところ、同社では創業時の精神をもとに自らの存在価値を具体的にうたいあげたものとなっています。経営方針も「ニッチ市場でNo.1シェアの獲得」と明快です。

経営計画は公表されていない代わりに、変革の軌跡を載せています。ここには、上場した1996年3月期以来の業績推移と、各年における業績のコメントが記されています。
私が長期安定成長企業を抽出するために、場合によっては40年にも及ぶ業績を追ってグラフにしているのは、長期にわたり成長を持続している会社にはそれを支える社風(最近の言葉ではコーポレートカルチャー)が形成されていると考えているからです。詳しくは以前の記事を参照いただくとして、長期安定成長をこれまでに成し遂げている企業には、チャレンジ精神とリスク管理のバランスが取れた社風が根付いていると推測しています。たいていの企業では経営者も従業員も目先の業務に追われて過去の成功体験や失敗経験を振り返る暇はないのですが、経験から得られた思考・行動パターンが社風という目に見えない形で先輩から後輩へと受け継がれていきます。ところが、同社においては過去の実績とそれに対する自己分析が明確に言語化・記録化されています。失敗体験も含めて過去をしっかりと、しかもここまで長期にわたり振り返ることができるのは、なかなかにできることではありません。実際に、1998年3月期に利益水準が大きく落ち込んで以降はリスク管理にも注力し、リーマンショック時や新型コロナ流行時も大きな打撃は受けていません。

というわけで私としては同社を応援したいと思い、いつもより熱の入った記事となりました。しかし、投資判断は冷静に行わなければいけないものなので、読者におかれては私の思い入れは差し引いて判断いただけると幸いです。

※当記事は投資の推奨を目的としたものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
※データの一部は手作成・手入力のため、誤りがある可能性についてお含みおきください。

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