デンカ 株主総会

前書き
株式投資にあたり、これまでは財務分析を中心に投資対象企業の選定を行ってきました。しかし最近、財務データはあくまで企業活動の結果にすぎず、企業の持続的な強さの要因となるのは経営理念や社風といった企業文化ではないか、よってこれらの要因をより深く分析する必要があるのではないか、と考えるようになりました。とはいえ定性的な企業文化を評価するための情報収集は難しいのですが、株主総会に出席し、社長をはじめ経営陣の生の声を聴くのはその貴重な機会になると感じています。よって、今年から株主総会には積極的に参加することで、企業文化とはなにか、その評価のためにはどのような視点をもつべきかを研究するための情報収集をするつもりです。
ただし、個人的なメモ書きであり正確性は保証できないこと、特定の投資判断を推奨するものではないことをご承知ください。

2026年6月19日

ライブ中継を視聴しました。

【株主総会メモ書き】

(1) 2026年3月期の業績について主要4部門の状況は以下のとおり。
  - 電子・先端プロダクツ部門:半導体向け素材などが好調
  - ライフイノベーション部門:検査試薬が不調で停滞
  - エラスタマー・インフラソリューション部門:不採算の米国工場を操業停止
  - ポリマーソリューション部門:商品によりまちまちだが、部門全体として減収、利益は回復

(2) 経営計画「Mission 2030」では、8か年で戦略投資 3,600億円をふくめて設備投資 5,400億円の設備投資を計画していたが、近年の環境悪化を受けて1000億円減額する。

(3) 将来に向けた部門別の課題として、好調な「電子・先端プロダクツ部門」の勢いを伸ばしていけるか、「ライフイノベーション部門」を安定成長させること、不調な「エラスタマー・インフラソリューション部門」「ポリマーソリューション部門」については採算改善によりキャッシュカウ(金のなる木、安定収益源)化すること。

以下、株主との質疑のうち印象に残ったもの

(4) 不採算部門にどのような対応を取るのか
  →「エラスタマー・インフラソリューション部門」については、不採算の米国工場を操業停止したが米国市場の開拓はできたので日本より製品輸出をする。「ポリマーソリューション部門」に関し石化部門は業界全体で厳しいので再編が行われる。当社でも同部門を分社化した。

(5) SNSを利用したCMはうたないのか
 → TVCMをする予定であったが業績が厳しく断念した。Youtubeなどを利用した広告は今後の検討課題とする。

(6) 新製品・スネクトンの競合に対する優位性は
 → スネクトンは低誘電性に非常に優れているのが優位。硬質系、軟質系のサンプルを用意し、今後の顧客ニーズに応える

(6) スネクトンの属する低誘電マクロポリマー市場ははどの程度の規模とみているのか
 → 現状、硬質系・軟質系あわせて数千億円規模。今後さらなる拡大を見込んでいる。

(7) 20年前から売上が4000億円弱で成長していない。なぜ成長しないのか、浸み出し戦略では不十分ではないか
 → 売上は変わっていないかもしれないが内容は入れ替わっており営業利益は拡大している。経験上、いきなり異分野に飛び出してもうまくいかない。2030年までは浸み出し戦略で行く。ただし2030年以降に向けて、航空宇宙分野やライフと電材の組み合わせなど、新たな種をそだてている。

繰り返しですが、上記は単なるメモ書きで正確性は保証できませんし、特定の投資判断を推奨するものでもありません。

【所感】

すべての大企業は、何らかの強みとなるビジネスモデルをもっているからこそその規模まで成長したといえます。しかし、その強みも市場の飽和やニーズの変化など外部環境要因でいつしか限界を迎えます。そのような曲がり角に直面した時、これまでの強みにこだわることなく自らを変容させて新たな強みをみつけられるか、そこが企業の持続的な成長性につながります。私がいま選定している長期安定成長企業の中にも、過去の大スランプ期を乗り越え復活し、以前を上回る躍進を遂げている企業がいくつもあります。
同社はまさに曲がり角の中にいるところで、新たな強みを求め模索をしているところ最中です。同社では今回のみならず1993年頃や2008年頃にも業績が大きく低迷しましたが、その後復活している。浸み出し戦略によって今回も復活できるのか注目しています。

【参考情報】

・長期業績グラフ

・2024年3月期より不採算事業の整理のため、売上・利益ともに低迷
・今回だけでなく1993年頃や2008年頃にも不振期があり、その後復活している
※長期業績グラフおよび安定成長スコアの詳しい説明はコチラ

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