7995 バルカー
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長期業績グラフ・安定成長スコア

※長期業績グラフおよび安定成長スコアの詳しい説明はコチラ
主要指標
株価 | ¥3,095 | 2025/6/27 |
実績 | 会社予想 | |
配当利回り | 4.85% | 4.85% |
PER | 11.64倍 | 11.35倍 |
CN-PER(※) | 7.24倍 | 7.05倍 |
自己資本比率 | 64.9% | |
NC比率(※) | 66.9% |
※NC比率:ネットキャッシュ比率
※PER、CN-PER、NC比率の解説はコチラ
企業概要
企業IRページ(https://www.valqua.co.jp/ir/)より
同社はシール製品事業と機能樹脂製品事業を手掛ける化学メーカーです。
①セグメント別・地域別業績
同社は、以下の3セグメントで構成されていました。うちシリコンウエハーリサイクル事業は売却のため今年度より消滅しています。
シール製品事業 | プラント・機器関連製品、エラストマー製品、自動車部品及びその他シール製品 |
機能樹脂製品事業 | ふっ素樹脂製品を中心とする機能樹脂製品 |
シリコンウエハーリサイクル事業他 | シリコンウエハーリサイクル及び発電事業 |
売上高 | (百万円) | |||||
2024.3 | 2025.3 | 2026.3 | ||||
実績 | 実績 | 前期比 | 構成比 | 予想 | 前期比 | |
シール製品 | 37,160 | 40,616 | 9.3% | 67.6% | 44,000 | 7.3% |
機能樹脂製品 | 21,580 | 16,334 | △24.3% | 27.2% | 18,000 | 10.2% |
シリコンウエハーリサイクル | 3,002 | 3,161 | 5.3% | 5.3% | ||
合計 | 61,744 | 60,113 | △2.6% | 100% | 62,000 | 3.1% |
営業利益 | (百万円) | |||||
2024.3 | 2025.3 | 2026.3 | ||||
実績 | 実績 | 前期比 | 構成比 | 予想 | 前期比 | |
シール製品 | 3,140 | 5,274 | 68.0% | 93.0% | 5,600 | - |
機能樹脂製品 | 3,996 | 567 | △85.8% | 10.0% | 1,400 | 146.9% |
シリコンウエハーリサイクル | △34 | △172 | - | △3.0% | ||
合計 | 7,102 | 5,669 | △20.2% | 100% | 7,000 | 23.5% |
② 経営計画
現在、3か年中期経営計画「New Frontier 2026」を実施中
● 基本方針
世界の分断が急激に進みデジタル化によるビジネスモデルが激変する環境下において「THE VALQUA WAY」のもとマルチ視点でステークホルダーの最⾼満⾜に向けて新たな価値創造に邁進しよう
1. 激変する世界において本質を追求する⽬線の確⽴とそれに伴う⼈材育成
2. 地政学リスクの増⼤に対応した更なるサプライチェーンの改⾰と強靭化
3. デジタルイノベーション加速による新たなAI/ITソリューション事業のマネタイズ
4. 「技術流出」の徹底防⽌と新領域・新技術の⾒極め
5. 「Think Globally, Act Locally」によるグローカリゼーションの徹底
● 数値目標 (2027年3月期)
‐ 売上高 :840億円(2025年3月期実績 601億円)
‐ 営業利益 :120億円(同 56億円)
‐ 当期純利益 :85億円(同 46億円)
‐ ROE :15% (同 9.5%)
③ 企業理念
● 基本理念
Value & Quality
(価値の創造と品質の向上)
※同社の社名「バルカー(VALQUA)」はこの基本理念にちなみます。
● 4つの経営理念
社会の発展のために
正正堂堂と
世界中のステークホルダーへ
独創的技術で
④トップメッセージ
バルカーは、1927年に創業し、社名の由来でもあるValue(価値の創造)&Quality(品質の向上)の基本理念のもと、シール製品の販売とシールエンジニアリング、そして高機能樹脂製品の提供を通じてお客さまに感動を提供し、あらゆるステークホルダーから信頼いただける企業であり続けることを社会的責務としてきました。
2027年に創業100周年を迎える当社グループは、2020年に"創業100周年のありたい企業像「未来と未知に挑むチャレンジングな企業」"を掲げました。この企業像の中では、「環境・社会・企業統治」に積極的に取り組む、地球市民としてサステナビリティへの取り組み姿勢も明確にしました。100周年とその先に目指す企業像の実現に向けては、当社グループの根幹である企業理念「THE VALQUA WAY」を中心としたビジョナリー経営を追求し、深化させることが重要です。「THE VALQUA WAY」は、基本理念Value&Qualityとしての性格と、従業員の指針、判断基準、コミュニケーションツールといったより実践的な側面を併せ持つ独自の概念です。これまでの事業活動の歩みの中で、逆境下での経営目標の達成などビジョナリー経営が奏功してきたと考えていますし、今後も、当社グループと従業員にとって共有しつづける大切な礎です。2024年度からは新たに「Well-being経営」を加え、従業員への支援を通してビジョナリー経営を側面から強化していきます。
社会の価値観が一層複雑、多様化し、不確実性にさらされている現在、今後ともステークホルダーの最高満足とサステナビリティにつなげる取り組みである新中期経営計画(NF2026)を2024年度からスタートしました。まず、企業理念「THE VALQUA WAY」との整合性を常に自問自答し、当社グループの在り方、方向性と価値創造の方法を追求していく目線を確立しなくてはなりません。
また、地政学リスクの増大に対応するサプライチェーンの再構築を進めてきましたが、今年度はさらなる環境変化に対応するためのサプライチェーン改革と日本市場での強靭化を着実に実行していきます。
さまざまな社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するためにもDXは非常に重要な取り組みと位置付けられています。すでに実現した社内外のDXの成果をもとに、本年をデジタルイノベーション元年と位置付け新たなビジネスモデルの構築を強力かつ迅速に進めていきます。NF2026を開始する節目の今年、創業100周年と将来にわたる持続的な成長と更なる企業価値向上を目指し、社長COOの交代を含む経営体制の世代交代を行いました。また、「Well-Being経営」をより強力に推進していくために、新たにCWO(最高ウェルビーイング責任者)を設けました。新社長COOが兼務しながら、当社の新たなコーポレートイメージであるWell-beingを、社内外のあらゆるステークホルダーとの間でWell-beingの輪を広げてまいります。
新体制とNF2026によって、バルカーグループの目指す姿と活動が、社会課題の解決、サステナビリティにつながると信じ取り組んでいきます。
分析
● 長期業績推移
データを取得開始した1985年3月期から2018年3月期までの34年間、売上高は300億~500億円のレンジで波をうっていました。しかし、2010年3月期以降は上昇トレンドにのって、2019年3月期には500億円を突破。その後2年間落ち込みますが、再び上昇トレンドとなり2020年3月期からは600億円台にのせています。
利益水準についても、2013年3月期以降は増益トレンドにあります。ただし、直近2025年3月期および2026年3月期(予想)は市場の頭打ちの状態にあります。
ここ10年あまりは増収増益傾向、しかし売上高や利益水準にバラつきのあるところが多少減点され、安定成長スコアは8点と高評価です。ただし以下の留意点を確認ください。
● 主要指標(会社予測)
配当利回り:4.85%とかなりの高利回り、PER 11.35倍、CN-PER 7.05倍と割安な水準にあります。自己資本比率:64.9%、NC比率 37.8%と財務健全性に特段の問題はありません。
● 留意点
2024年同社の執行役員及び従業員が不祥事を起こしました。取引先と結託して水増し発注を行い、その一部をキックバックで受領していたというものです。一従業員ではなく執行役員が関与していた、という点で事態は深刻です。しかも、発覚は外部からの通報によるものであり、内部通報制度が機能していないという問題も明らかになりました。
もちろん同社としては再発防止策の実行および企業風土の改革に取り組んでいるので、その取り組みの成果が投資家に向けてどのような形で示されるのか注視する必要があります。
※当記事は投資の推奨を目的としたものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
※データの一部は手作成・手入力のため、誤りがある可能性についてお含みおきください。