5071 ヴィス

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長期業績グラフ安定成長スコア

※長期業績グラフおよび安定成長スコアの詳しい説明はコチラ

主要指標

株価¥1,0252024/7/30
実績会社予想
配当利回り3.51%3.51%
PER8.51倍8.58倍
CN-PER(※)5.32倍5.37倍
自己資本比率59.1%
NC比率(※)37.5%
※CN-PER:キャッシュニュートラルPER
※NC比率:ネットキャッシュ比率

※PER、CN-PER、NC比率の解説はコチラ

企業概要

企業IRページ(https://vis-produce.com/ir/)より

同社はオフィスデザインを主業とする企業です。

2024年3月期売上高は 144億円(前期比 +8.9%)。セグメント別売上高比率(セグメント間取引消去後)は、ブランディング事業:95.9%、データソリューション・プレイスソリューション事業:4.1%です。

「中期経営計画」において、ビジネスモデルをオフィスデザインから「ワークデザイン」へ拡大することをうたっています。
そして、それを実現するために以下の事業戦略・企業戦略を定めています。
 ①ブランディング事業の強化
  01. 付加価値の向上
  02. 顧客層の拡充
  03. リードの獲得
 ②プレイスソリューション事業の拡大
  04. The Place の展開
  05. バリューアップ
 ③データソリューション事業の拡大
  06. データ活用
 ④ 人的資本経営の推進
  07. 採用の強化
  08. 育成制度の充実
  09. エンゲージメント向上

財務目標として、2026年3月期 売上高:161.69億円 (2024年3月期実績 143.99億円)、営業利益:15.97億円(同 15.23億円)、当期純利益:10.76億円(同 9.91億円)と置いています。
また、2030年における売上高を250億円とすることを長期ビジョンにかかげています。

環境が人を変える、人が会社を変える。

「私たちは、何のために存在し、今こうして働くのか。」

20年ほど前に出会ったクライアントから、偶然にも見つけることができました。かつて自分の仕事は、ものづくりであり、その完成に全力を費やし、最高の出来栄えを提供することがすべてだと信じていました。しかし、そのクライアントとの出会いを機に自分が手掛けた仕事が、はたらく人々に影響を与えることができると知りました。
今では、はたらく環境の変化を通し、そこではたらく人々のエンゲージメントを高めることが、企業価値向上に繋がると確信しています。

『はたらく人々を幸せに。』

当社グループのパーパスであり、存在理由そのものです。クライアントのみなさま、協力会社様、そして当社グループの社員一人ひとりが幸せになること。これらすべてを、「ワークデザイン」を通じて実現することがビジョンです。

役員はじめ社員一同、上場企業としての社会的責任を自覚するとともに、皆さまの信頼にお応えすべく一層の努力を重ねて参る所存でございます。今後とも、一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

会長メッセージより

未来の「はたらく」をポジティブに。
誰もが自分らしく最大限の力を発揮し、
自己実現できる社会を創る。

ビジネスモデルを変革。新たな領域へ。

新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより「はたらく」ということそのものが多様化し、パラダイムシフトが起きました。それに伴い働き方改革も加速し、ワークプレイスのあり方は進化の一途をたどっています。また、少子高齢化による生産年齢人口減少という未来に向けて、各企業は優秀な人材の確保という大きな経営課題に直面しています。企業が人材を選ぶ社会から変化し、「選ばれる」会社になるためにブランディングを強化していく必要があるのです。

当社では、ビジネスモデルをオフィスデザインから「ワークデザイン」へと拡大し、場のデザインだけではなく、はたらき方そのものをデザインすることで企業ブランド向上に寄与してまいります。2004年デザイナーズオフィス事業をスタートさせ、市場を拡大してきたフロンティア精神を持ち、パーパスである「はたらく人々を幸せに。」を実現するため、「ワークデザイン」という新たなビジネス領域でさらに市場を開拓してまいります。

2030年へのビジョンと成長戦略

2030年に向けた成長戦略の一つに案件単価向上があります。既存クライアントの成長により年間売上のおよそ半分がベースとして構築されている中で、2019年から取り組んでいるマーケティングへの投資により、新規の大手企業からの案件が増大しています。また人事戦略として、プロジェクトを担当するメンバーの専門的スキルや経験値も高めるために独自の教育研修や組織改善を行い、提供価値向上につなげてまいります。

さらにデータソリューションを担当する『WORK DESIGN PLATFORM』を開発、提供開始いたしました。はたらく一人ひとりの状態を可視化し、昨今関心が高まる人的資本に対して、企業ごとの改善に伴走できるようになりました。主軸となるブランディング事業を伸ばしながら、データソリューション事業の成長でシナジーが生まれ、垂直展開する体制が整いました。また、フレキシブルオフィス「The Place」の展開では、経験に基づくデザインワークをつなげることができており、引き続き高い付加価値を提供してまいります。

ワークプレイス構築にはじまり、はたらく人々のエンゲージメント向上や離職率低下、帰属意識の向上といった効果を上げ、はたらく人々が幸福度高く自己実現できる社会を目指して事業を拡大してまいります。

社長メッセージより

分析

●長期業績推移
(利用可能なデータが2018年3月期以降と10年に満たず、「長期」業績をみるには不足しているので、あくまで参考程度としてください。)
2021年3月期を除けば売上高、利益水準ともに着実に増加しているため、安定成長スコアは8点と高評価です。

●主要指標(会社予測)
配当利回り:3.51%とやや高利回り、PER 8.58倍、CN-PER 5.37倍と割安な水準にあります。自己資本比率:59.1%、ネットキャッシュ比率:37.5%と財務健全性も特段の問題はありません

●その他の視点
1999年創業、2020年上場の若い企業です。ここまで社歴の浅い企業がスクリーニングで選出されるのは異例ですが、それだけ同社が着実な成長を遂げ、かつ株価が割安で高利回りなためです(新興企業のほとんどは配当余力があまりなく、また割高な株価がついています)。この状況をお買い得とみるか、投資家が購入をためらう何かがあるのか、判断が難しいところです。
なお、新規上場した2020年の株価は600~800円のレンジでしたが、直近では1025円まで上昇しています。2024年6月に発表・実施した立会外分売(40万株)が株価の重しとなっています。


ここからはまったくの余談です。
会長メッセージにある「私たちは、何のために存在し、今こうして働くのか。」は哲学的な重みのある言葉です。私自身、会社員人生を振り返り「会社は何のために存在するのか、良い会社と悪い会社をわけるものは何か、そして私はどのように働くべきであったのか」を振り返る毎日であり、共感するところがあります。私がいまこのように、企業の長期業績推移、経営理念、経営計画を分析しているのは、投資目的もありますが、良い企業とはどのような企業か知りたいという動機も大きなところです。
生物は物質の集合体に過ぎないという考え方があります。しかし私は、細胞・感覚・経験などの有機的な結合(福岡伸一氏の著書名を借りれば「動的平衡」)によって生物は形成されていると考えています。同様に企業についても、経営者・従業員・設備・資本・経営理念・社風などが結合した一種の生命体と考えます。そして、これらの要素を結合させるための「場」が存在しており、場の在り方が企業の在り方をある程度決めているのでないかと推測します。ここでいう「場」とは、物理的なオフィススペースはもちろん、社内メールなどによるコミュニケーションの場も含まれますし、部署間や顧客との間の仕事のつながりも一種の場となります。
そのようなことを考えているなかで、同社の「場のデザインだけではなく、はたらき方そのものをデザインする」という経営方針は、非常に興味深いと思った次第です。

※当記事は投資の推奨を目的としたものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
※データの一部は手作成・手入力のため、誤りがある可能性についてお含みおきください。

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