共立メンテナンス 株主総会

前書き
株式投資にあたり、これまでは財務分析を中心に投資対象企業の選定を行ってきました。しかし最近、財務データはあくまで企業活動の結果にすぎず、企業の持続的な強さの要因となるのは経営理念や社風といった企業文化ではないか、よってこれらの要因をより深く分析する必要があるのではないか、と考えるようになりました。とはいえ定性的な企業文化を評価するための情報収集は難しいのですが、株主総会に出席し、社長をはじめ経営陣の生の声を聴くのはその貴重な機会になると感じています。よって、今年から株主総会には積極的に参加することで、企業文化とはなにか、その評価のためにはどのような視点をもつべきかを研究するための情報収集をするつもりです。
ただし、個人的なメモ書きであり正確性は保証できないこと、特定の投資判断を推奨するものではないことをご承知ください。

2026年6月25日

同社の株を購入したのは2001年、実に25年におよぶ長い付き合いです。
毎月経営状況レポートを郵送するなど株主とのコミュニケーションを強く意識している企業と当初より好印象を持っていました。
この25年間で、売上高は7倍!(2001年3月期 378億円 → 2026年3月期 2,752億円)、当期利益は16倍!!(同 11億円 → 187億円)と躍進を遂げています。

そんな旧友ともいえる同社の株主総会に今回初めて参加することにしました。
場所は大手町・サンケイビルです。

【株主総会メモ書き】

企業業績など公開資料で確認できるところは省略

(1) 経営環境に対する課題認識としては、少子高齢化、労働力不足、緊迫する日中関係、中東情勢の悪化、物価高とコスト増
  それを踏まえた取組方針として
  - 寮事業:コスト管理の徹底、販売価格適正化(※要は値上げ)
  - ホテル事業:ユニークなサービスに注力

(2) 2026年の経営テーマとして「正道」を掲げている。

以下、株主との質疑のうち印象に残ったもの(似たような質疑はまとめています)

(3) DXの遅れ、それによるホテル予約の直販率の低さが同社の弱点と考えているがどのような取組をしているのか
 → これまではエージェント経由での予約獲得に注力しておりそれが高稼働につながっているところがあった。しかし最近は手数料値上げによるエージェントへの流出拡大を課題として認識しており、直販率の向上に取り組んでいる。現状は25%超まできており、さらに35~45%にすることを目標としている。

(4) 株主優待の電子チケットが、ログインや株主番号の入力を一々しなければならず不便。フロントでの渋滞原因にもなっている。
 → 問題は認識しており、改善すべくシステムを導入する予定

(5) 最近宿泊料が上がっており、それに伴い日本人宿泊客が減っているように感じる。日本人比率が低下するのはリスクになるのでは。
 → 外国人比率は25%、韓国・台湾・香港など東アジアが多い。指摘のとおりのリスク認識はあり、インバウンド依存はせずバランスの取れた集客に努める。また、宿泊料の上昇により使いにくくなったとの声は上がってきているので、自動チェックインなどの省力化により質は落とさず価格を抑えたホテルの導入を検討中。

(6) 女性役員増加に向けた取組みは
 → 女性管理職比率目標20%はクリア。その中から将来のリーダーを育てる。また、今期新入社員の女性比率は60%。彼女らの定着率向上を課題認識している。

(6) コストダウン施策は
 → 全社横断的に「正道」プロジェクトに取り組んでいる。サービスレベルは落とさないことを前提として、DX推進や労働生産性の向上を行っていく。

(7) ホテルの海外展開の計画は
 → 現状、韓国ソウルの2店。ソウルでさらなる新出店を検討中。それ以外の地域でも水面下で協議中。米国に進出する計画もあったが、新型コロナにより一旦リセットした。

(8) 充実した朝食が同社ホテルの魅力であるが、一方で食事は外でというニーズも多いのではないか
 → 現在、朝は89%、夕は7割がホテル内での食事を選択している

(9) 親が高齢者施設へ入居せざるを得なくなり、同社の施設利用を検討したが、病院との連携がなされておらず断念した。
 → 現状、同社施設で病院との連携はしていない。現状の高齢者施設の状況は、入居時の平均年齢が88歳、平均入居期間は2.5年である。同社では、より長く居住してもらえるよう多世代型の寮を目指している。

(10) 他事業と比較しフーズ事業(外食など)は伸び悩んでいる。創業者でもある石塚会長はもともとこの分野の出身と聞いているが、どのような取組を考えているのか。
 → (石塚会長より茶目っ気たっぷりに)これまで30数店舗つぶしてきて現在は10数店舗。巻き返しを図るべくいろいろ考えているところなので、期待していてください。
   (石塚会長より発言があったのはここだけ。しかしさすがのカリスマでこのとき会場が大いにわきました)

総会の最後、役員が総立ちで株主に向かって一礼。その後、株主が会場を退出するまで立ったままお見送り。他社では閉会の直後に役員が退出するので、さすがの接客業と感心しました。

繰り返しですが、上記は単なるメモ書きで正確性は保証できませんし、特定の投資判断を推奨するものでもありません。

【所感】

株主優待を通じた共立メンテナンスファンが多いためか(私もその一人ですが)、他社の株主総会に比べてアットホームな雰囲気でした。
また接客業で鍛えられたからか、社長をはじめ声が大きく歯切れのよい方が多い。
元気の良さと顧客・株主に対する丁寧な姿勢はそのままに、今後も発展することを期待しています。

【参考情報】

・長期業績グラフ

・基本的に順調に業績を拡大しているが、新型コロナ時に大ダメージ。その後は復活し、また成長軌道に乗る
※長期業績グラフおよび安定成長スコアの詳しい説明はコチラ

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