4658 日本空調サービス

●建物設備のメンテナンス等のサービス部門を中核に、設備工事部門を併せ持つ
●売上高は30年以上ほぼ一貫して増加、利益水準は2014年より増益傾向

●業績:売上高はデータ取得開始した1995年3月期からほぼ一貫して上昇、平均売上高成長率は 5.3%です。
利益水準に関しては、2004年3月期から10年ほどほぼ横ばいで推移していました。ところが2014年3月期からは増益傾向にあります。
売上高利益率は業種特性もあり高くはないものの(25/3 売上高営業利益率 6.0%)、ブレ幅が小さく安定しています。

分析:これまで多くの企業の経営理念・中期経営計画・KPIなどをみてきました。そのなかで同社のものは、①理念・計画・KPIが論理的で体系立てられている点、②過去の振り返りと将来に向けた課題設定がしっかり行われている点、③イラストやカラーを駆使した見やすく内容も分かりやすい資料を作成している点で、抜群のすばらしさです(以下の参考情報に、優れていると感じた点を例示します)。計画と実践は別物、ということも多いのですが、同社は安定した業績成長を遂げています。
 株価は、2017年から23年にかけて600~800円のレンジで推移したのち、2024年から上昇トレンドに入り直近では 1,600円台まで上げています。ただし株価が順調に伸びている反面、PER 14.59倍、配当利回り 3.47%と割安感がうすまっています。

・長期業績グラフや安定成長スコアについて詳しくはコチラ
・同社を含む2026年スクリーニング企業の一覧はコチラ

※当記事は投資の推奨を目的としたものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
※データの一部は手作成・手入力のため、誤りがある可能性についてお含みおきください。

参考情報

●リンク先
同社公式IRページ
最新の株価(Yahooファイナンス)
株主優待(当ブログ)

●同社株への筆者の投資方針(本記事作成日現在)
・保有有無:あり
・投資方針:積み増し(これだけの抜群の計画性を持つ企業なので応援します)

●同社の経営理念・経営計画・KPIで優れていると感じた例
① 以下のとおりパーパスを説明(資料は2024年中計)。パーパスを図解によって一目瞭然に表現しているのは他に類を見ないものです。

2024年中計では、前中計における14のKPI目標につき達成状況を評価したうえで、未達項目も含め振り返り分析を実施、最後に課題をまとめています。その分量なんと13ページ! 他社でも前中計の振り返り自体は珍しくないのですが、その分量はせいぜい2ページ、内容的にも総花的で未達項目にはふれない自画自賛的なものがほとんどです。同社のように駄目だった点も含めてしっかり反省してこそ計画が活きる、と考えます。

③ 振り返りの結果、課題の一つとして挙げたのが「当社のビジネスモデルに大きな変化がない状況において1人当たり売上高が増加しており、中長期的なエンゲージメントの低下に繋がる可能性がある」。すなわち、「1人当たりの売上高の増加」というのは業務負荷が増加しているということで従業員のやる気を下げている可能性がある、ということです。通常の企業ではこういう発想はできないでしょう。同社では実際に、従業員エンゲージメント調査にて処遇面の評価が低いという結果がでたことから賃上げに踏み切っています。

●定性評価(試行中、詳しくはコチラ

非財務評価基準  評価結果
◎経営理念・トップメッセージ
その企業ならではの理念(世界観・価値観・倫理観)が語られているか。トップコミットメントにおいて、社長よりパーパス、ステークホルダーへのコミットメント、これらの具体的実現方法としての経営計画内容が語られている
社是がよい、なかでも「根性なきものは去れ」
◎IR
IRの内容は充実しているか。検索・閲覧をしやすいレイアウトとなっているか。メニューは見やすく、内容も一通りそろっている
事業内容が、一般個人にも分かりやすく説明されているか。その企業ならではの魅力・沿革が紹介されているか。「5分で分かる日本空調サービス」「日本空調サービスの強み」などに分かりやすく記されている
◎中期経営計画
過去の振り返りがなされているか。特に未達項目について十分な検証と改善策策定がなされているか。2024年中計においては、なんと13ページにわたり詳細な検証および課題のまとめ
これを業績好調のため途中修正した2026年中計においては、振り返りをしたうえで12の課題を設定
成長戦略(新規事業)は経営理念にひもづけされているか。特に目新しい新規事業創出は計画されていませんが、経営理念に沿った事業の深化を目指しています。(本業の競争優位性を高めることに最大限注力する)
成長戦略(新規事業、海外事業)について、期待リターン、投入資金、リスクとその軽減策が明示されているか。特に投入資金額などは明示されていない
内部統制や人事施策など社内体制に係る計画が策定されているか。人的資本、ガバナンスを大きな柱として計画が立てられている
多様性(ジェンダー、国籍など)に関する施策が策定されているか。多様な人材とその育成が中長期的観点で企業価値向上に寄与するものと考え、女性・外国人・中途採用者や非正規雇用者の正社員登用等、人材確保に注力
◎KPI
従業員のモチベーションに関するKPIが設定されているか。給与引き上げ水準、エンゲージメントスコア、従業員純増数、女性社員割合に目標値を設定
経営理念や経営戦略につながるKPIが設定されているか。総合技術力の再構築のため、コア技術力指数CAGR、特殊な環境を有する施設売上高比率に目標値を設定
財務評価基準  評価結果
◎決算分析(決算短信、有価証券報告書、決算説明会資料)
利益に関する前期対比の変動要因分析がなされているか。いわゆるウォーターフォール分析はないが、販管費やセグメント別売上高などで変動要因についてコメントしている
業績悪化の場合、その原因が具体的に分析されているか。また外部要因だけでなく内部要因にも言及されているか。業績は好調
特定のセグメントに業績が偏っていないか。建物設備メンテナンス(売上高60%)、建物設備工事(同40%)
海外売上比率3.6%

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