高島屋 株主総会メモ
前書き
株式投資にあたり、これまでは財務分析を中心に銘柄選定を行ってきました。しかし最近、財務データはあくまで企業活動の結果であり、企業の持続的な強さの要因となるのは経営理念や社風といった企業文化ではないかと考えるようになりました。とはいえ定性的な企業文化を評価するための情報収集は難しいのですが、株主総会に出席し、社長をはじめ経営陣の生の声を聴くのはその貴重な機会になると感じています。よって、今年から株主総会には積極的に参加することで、企業文化とはなにか、その評価のためにはどのような視点をもつべきかを研究するための情報収集をするつもりです。
ただし、個人的なメモ書きであることをご承知ください。
2026年5月

株主総会オンデマンド配信を視聴
【株主総会メモ書き】
(1) 株主総会のライブ配信、オンデマンド配信をしていることは ◎。
(2) 今2026年2月期決算は対前年で多少悪化、計画値も下回る。
営業収益(売上高) 4,923億円(▲1.2%)、経常利益 569億円(▲5.8%)、当期純損失 ▲82億円。
業績悪化要因について、株主総会では説明なし ✖。
決算説明資料によれば、営業収益・経常利益の減少は、インバウンド需要の反動。純損失発生の主因は、転換社債の消却損 713億円。減収減益要因及び対策については株主総会でも説明してもらいたかった。
(3) 2031年にめざす姿として「こころ豊かな生活を実現する身近なプラットフォーム」をかかげるが、なにをもって「こころ豊かな生活を実現」できるのかは具体的な説明はなし。
若者の百貨店離れはよく指摘されていること。「百貨店」の魅力をいかに発揮していくかが同社の将来性のカギを握るところであり、最も聞きたかったところなので残念。実際に複数の株主から同趣旨の質問があった。
ちなみに同社ユーザーである妻にどのような場面で利用しているかきいたところ「①贈答品を送るとき、②ブランド品を購入するとき」とのこと。②に関しては、株主優待により割引価格で入手できることが選択理由。また円安効果か、いまブランド品は海外よりも日本で買う方がお得とのことで、インバウンド客が集まっているのもそのためだろうとのこと。
(4) 二人の株主より、「同社日本橋店の着物セット(西陣織)はよいので本場の京都店にも導入してもらいたい」「他社が茶道用具を縮小するなか、同社が販売継続しているのはありがたい。欧州では茶道ブームなので今後のチャンスでは」との意見あり。それに対し、社長からは海外に向けて日本文化の積極的な発信をしているとのコメント。
(3)と関連し、日本文化の発信基地であること、本当によい日本のモノを紹介することが、モノや情報があふれかえっている現在における百貨店の一つの存在意義と考える。実際にわが家では同社にて購入した、岩谷堂箪笥の鍋敷きや青森の木工作家による漆塗りの木皿を愛用している。
(5) 複数の株主より「食品売り場の紙のフロアガイドを復活してもらいたい」「孫が遊べる場を用意してもらいたい」との意見があった。それに対し同社側では貴重な意見として検討するとの回答であったが、株主総会によらずとも来店者の声は収集していないのかとの疑問を持った。
(6) 直近期赤字の主要因である転換社債の消却損(713億円)について、株主より消却実施の妥当性について説明を求められた。これに対し、社長からは転換社債の存在が株価のガラスの天井となっているので、今後の株価伸長のために消却を決断したとの説明。
発行時(2018年)はゼロ金利の低コスト調達と考えていたのであろうが、株価が大きく伸びたために結局は高コスト調達となってしまった。
(7) 14年連続で赤字であった上海店は、撤退も検討していたが大幅な賃下げが行われたために継続。ようやく今年度黒字化する見込み。同店に関しては巨大な中国市場への橋頭堡として戦略的に重要視している、とのこと。
また直近期赤字となったタイ・サイアム店も黒字回復する見込み。
【参考情報】
・長期業績グラフ

・2023年2月期より売上(青の棒グラフ)の計上基準を変えているため連続性がない。(現行の基準は「営業収益」。以前の基準も「総額営業収益」として使い続けているので混乱する)
・利益水準に関しては、2021年2月期の新型コロナショックや2026年2月期の転換社債消却損などにより一時的に落ち込むことがあるが、基本的には上昇トレンドにある。
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