9039 サカイ引越センター

●引越し業界首位、社名のとおり大阪府堺市に本社を置き全国展開
●30年以上、業績は極めて安定的に成長

●業績:決算データ取得可能な1994年3月期以降30年以上にわたり業績は極めて安定的に成長。ここまでの安定成長は他にほとんど類を見ません。

分析:ここまでの安定成長を支えているは同社の企業文化によるものでしょう。同社では「サステナビリティ経営」と題する経営理念をあげています。また「まごころバリュー」という独自のKPIを設けています。「まごころバリュー = 一人当たり生産性 × 滞在期間」と定義され、さらに詳細かつ具体的な分解が行われており(詳しくは中期経営計画)、これもほぼ類を見ないものです。
 リスクとしては、日本の引越市場全体は伸びしろのなさです。一方で2024年問題(残業規制)等より中小業者が淘汰され大手による寡占化が進むという追い風もあります。大手他社との競合にいかに打ち勝ちシェアを拡大するのか、またM&Aをいかに活用するのかが、同社が今後も安定的に成長を続けるための注目点となります。
 株価は、2019年に3,500円を突破した後、2022年までに2,000円前後まで下落しました。2023年以降は回復傾向にあるものの、上昇率は緩やかです。
 同社の悩みは、金が貯まりすぎること。余剰資金の増加はROEを低下させるからです。決算説明会では、余剰資金の貯まりすぎを解消することを「出血を止める」と表現…って意味が逆でないかと一人ツッコミ。それはさておき、何とも贅沢な悩みです。

・長期業績グラフや安定成長スコアについて詳しくはコチラ
・同社を含む2026年スクリーニング企業の一覧はコチラ

※当記事は投資の推奨を目的としたものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
※データの一部は手作成・手入力のため、誤りがある可能性についてお含みおきください。

参考情報

●リンク先
同社公式IRページ
最新の株価(Yahooファイナンス)
株主優待(当ブログ)

●同社株への筆者の投資方針(本記事作成日現在)
・保有有無:あり
・投資方針:継続保有(今後も安定成長することを期待。株主優待のお米も魅力です。)

●余談
 やや黒歴史的なエビソードとして、同社は1979年「アーイ引越センター」の社名で設立されました。電話帳にて、かの「アート引越センター」よりも前に先頭で表示されるようにとの狙いです。さすがに気が引けたのか、その2年後に「堺引越センター」に社名変更しています。

●定性評価(試行中、詳しくはコチラ

非財務評価基準  評価結果
◎経営理念・トップメッセージ
その企業ならではの理念(世界観・価値観・倫理観)が語られているか。ビジョンを一言でいえば「まごころをこめておつきあい」。
またサステナビリティ経営と題する経営理念を掲げている。中でも気候変動と人的資本を重視。
◎IR
IRの内容は充実しているか。検索・閲覧をしやすいレイアウトとなっているか。他社に比べればシンプルな内容。メニュー画面からの検索はしやすい。
事業内容が、一般個人にも分かりやすく説明されているか。その企業ならではの魅力・沿革が紹介されているか。事業内容については特になし。中核たる引越事業は明白としても、その周辺業務(電気工事・リユース等)については説明がほしい。
◎中期経営計画
過去の振り返りがなされているか。特に未達項目について十分な検証と改善策策定がなされているか。過去の振り返りはないが、2035年のありたい姿の実現に対する4つの課題は明確化している
成長戦略(新規事業)は経営理念にひもづけされているか。「引越事業」→「引越付帯事業」→「引越外事業」の3層それぞれ3年、計9年間での成長を計画している。
成長戦略(新規事業、海外事業)について、期待リターン、投入資金、リスクとその軽減策が明示されているか。3年間で205億円の投資を計画。内訳はM&A・出店・車両・人材投資・システム投資
内部統制や人事施策など社内体制に係る計画が策定されているか。「まごころバリュー」という独自のKPIを設定。その要素の一つが(従業員)滞在期間であり、改善のために制度待遇(給与)・成長環境(やりがい)・組織風土(仲間)に関する施策を設けている
多様性(ジェンダー、国籍など)に関する施策が策定されているか。特にドライバー不足が深刻であり、外国人や女性の活用を施策として挙げている
◎KPI
従業員のモチベーションに関するKPIが設定されているか。「まごころバリュー」の一要素として(従業員)滞在期間を設けている
経営理念や経営戦略につながるKPIが設定されているか。「まごころバリュー」という独自のKPIを設定。その一要素が一人当たり生産性であり、これを引越件数・単価・グループ売上高に分解し、さらにそれぞれに複数のKPIを設けている。
財務評価基準  評価結果
◎決算分析(決算短信、有価証券報告書、決算説明会資料)
利益に関する前期対比の変動要因分析がなされているか。直接的ではないが、件数・単価の動向、チャネル別売上の変動を掲載
業績悪化の場合、その原因が具体的に分析されているか。また外部要因だけでなく内部要因にも言及されているか。業績は好調
特定のセグメントに業績が偏っていないか。引越事業が絶対的中核(売上比率84%)。それ以外に電気工事事業・クリーンサービス事業・リユース事業など。

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